僕は福祉職員で困っている人の相談をするのが専門です。
この前、全て自分のせいにして引きこもっている人と出会いました。
もっと、彼は許されてよいはずと思った話です。
目次
彼を許さない社会
30代男性の話です。
通院しないので精神疾患や発達障がいの診断を受けていない彼でした。障がいまでいかなくても人間関係が苦手でおそらく作業能力もそれほど高い訳ではなく、ほとんど仕事ついたことがなく引きこもっている生活をしています。
家族関係が複雑で、幼少の頃にきちんと甘えさせてもらう事ができず我慢をし続けた生活をしていたようです。おそらく反抗期もない成長過程、成育歴だったと推測されます。そんな彼なので両親も無理に働けとは言いません。
でも彼は「僕はきちんと中学も卒業できてなくて。みんなが頑張ってるのに頑張らなかったので、僕がいけないんだ」と思っています。
友達もいない孤独な生活で行政の引きこもり支援の人に相談するだけが社会との接点です。
でも紹介してくれた会社を辞めてしまったので申し訳ないと、引きこもりの就労相談、支援は受けようとしません。
仕事を辞めてしまい、自分が悪いから申し訳ないと言う彼には、支援を届けにくいの現状です。
現在、彼の居場所はなく、就職活動しても中々採用にはならない。彼自身が自分を許していないし、彼を許さない社会があります。
世の中には支援を受けて当然と思う人もいるのに・・・
世の中には、支援者は自分のいう事を聞いて当然、召使いやはけ口を言っていい存在と思っている人もいます。
僕も「支援者は黙って話を聞いていたらいいんや!」と言われた事があります。黙って話を聞いていたら2~3時間は話を続ける人なので、僕が話をしたら、そういわれました。世の中にはそういう人が一定数います。
その人に寄り添って8割以上は話をしてもらう面談を続けていました。必要なら夜中にも電話をしました。そうしながら会話はキャッチボールが大事と伝え続け、年単位のお付き合いの結果、こちらの意見をもう少し聞いてもらえそうと思ってこちらの意見も聞いて欲しいんですと伝えたら「支援者は黙って話を聞いていたらいいんや!」と言われました。
とても傷ついた思い出です。
利用者が相談してきて当然と思う支援者もいる
支援者をはけ口と思う利用者がいる一方、自分は支援者なので相談してきて当然と思う支援者もいます。
依存的になるからと電話がかかってきても電話に出ないです。そんな支援者は信頼されないので暇で一番机にいる時間が長いのですが、その支援者は依存させない自分は仕事が出来ると思っています。
依存させないではなく信頼されていない訳ですが、説明しても理解できない様です。
クレームを受けても特に改善しようともしません。
そんな人が国家資格を持っています・・・。
最後に 彼はもっと許されるべきだし自分を許していい
- 引きこもっている彼自身が自分を許していないし、彼を許さない社会があります。
- 世の中には支援を受けて当然と思う人もいて「支援者は黙って話を聞いておけ!」と言う人もいる
- 逆に利用者が相談してきて当然と思う支援者もいる。依存的になるからと電話に出ない
という事を綴ってきました。
2と3は僕には理解しがたい人達ですが、こんな人は一定数います。僕の感覚では段々増えてきている気がします。だから僕は管理職も正社員も降りて、セミリタイアした訳です(笑)
それはさておき、1で書いた彼はもっと自分を許していいはずです。彼が自分を許せる様になる為には、社会がもっと彼を許す必要があると思うのです。
もちろん引きこもっている彼の問題もあるとは思いますが、最近生きずらい社会にどんどんなっていっている気がします。
まあ、そんな社会なので引きこもっているのが正解かも知れませんね。僕も鬱になってセミリタイアした訳だし。
幸い良くも悪くもセミリタイアな訳で、僕も福祉専門職なので、また鬱にならない程度のこんな社会を変える為に小さな活動を続けていこうと思います。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。